園主のフォト日記

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クリスマスローズの育て方 失敗しないやり方

弊園のクリスマスローズの苗の冬の管理につきましてクリスマスローズの育て方 クリスマスローズ歳時記

1.クリスマスローズの植替えは
2.弊園の苦い過去の経験
3.クリスマスローズの土
4.夏を乗り切るキンポウゲ科の植物の水やり
5.クリスマスローズは浅植えか?
6.クリスマスローズ メリクロン苗について
7.クリスマスローズの育て方を科学する
8.もしカビが生えたなら、病気になったら
9.クリスマスローズの春の植え替え
10.山野草培養土で育成  加藤農園さん
後書き


1.クリスマスローズの植替えは
2011年11月4日
弊園ではクリスマスローズハイブリッドを山野草の土で育てています。

理由は

①排水が良好で通気性に優れている。
②現在ハイブリッドの培養土はどの解説書にも腐葉土の混合とありますが、山野草業界では
 この日本の夏を考えると、早くより腐葉土の使用は否定されています。
③それにて弊園では夏越しを考え、改めて試作してみたいと思います。
④おそらくは夏の水やりも通常の水やりで株が腐ることは少なくなるのではと思います。
 平地では腐葉土が混入しているため、根ぐされを起こすと考えられます。

植え方

①10月に入り植替えの季節となりましたので、従来育ててあったポットの培養土を全量落とします。
②その株を水洗いします。
③一回り大きいポットにて山野草の土にて植え替えます。
④肥料を株元に置きます。


2.弊園の苦い過去の経験
2011年3月4日

1.ハイブリッドの尺鉢の大株を何年か前に入手しました。
 (1)夏休眠期に他の山野草と同じく戸外の棚に置きました。
 (2)水やりはスタッフに何も注意せず、雨天の日以外は通常の水やりを連日やりました。
 (3)秋には水のやりすぎで枯れてしまう鉢がある中で、かろうじて生き残っている鉢を植え替えました。
 (4)葉1~2枚の株を3.5号ポットに植え、5~6鉢はとれました。
  用土は弊園オリジナル山野草の土でした。
 (5)その後、適当に管理しておりましたが御来園のお客様が購入を希望され、株の良いものから販売。
 (6)最後に残った1鉢(一番育ちの悪いもの)が2年後に開花、その間戸外の山野草の棚にて管理。
 (7)更に植替え、同じ管理を一年間やりましたところ 3月4日に上記の花が咲きました。

2.今考えると
 (1)購入した株は標準的なクリスマスローズの培養土で植えられていた。
 (2)夏の水やりは山野草と同じ棚に置き、水やりを暑い中連日やりました。
 (3)その結果毎年ほとんどの株が枯れてしまいました。
ところが生き残り、植え替えた株は山野草と同じ管理をしまして、咲きました。

3.(1)違いは何かというと培養土だけの問題ということに気がつきました。
 (2)山野草の土は弊園オリジナルのものです。
 (3)特徴は通気性の良さがハイブリッドでも要求されることかと思います。
   現在一般に使用されている培養土は夏冷涼なヨーロッパスタイルになっているかと思います。
   やはり通気性に欠け、水やりが多いと夏根腐れを起こしやすいかと考えられます。
 (4)北海道で生産されたクリスマスローズハイブリッドが最近この関西でも大量に流通するようになりました。
   用土はピートモス主体の培養土です。
   夏涼しい北海道ならともかくも、この関西では中々難しいのではと思います。


基本的な考え方

クリスマスローズはやはりヨーロッパの山野草と考え、山野草的思考が必要かと思います。
チベタヌスはその極端な例だと思われます。
一般のガーデニング感覚では今一歩クリスマスローズは育て方上手になれないような気がします。


3.クリスマスローズの土


クリスマスローズ用培養土「山野草の土」について

【特徴】

1.全体に団粒構造であり、通気性、排水性、保水性、保肥力と夏気温が高く、非耐暑性植物であるクリスマスローズの生育特性に合わせたバランスの良いハイグレードの配合土です。
特に水のやりすぎによる夏の蒸れから枯らすことを防ぐ通気性、排水性に優れた培養土です。

2.特に赤玉土は業界一硬質のメーカーを厳選しました。
この赤玉土を使用している業界に盆栽業界があります。
何百万円、何十万円の盆栽には、この超硬質赤玉土でないと何年も植え替えしない場合、他のメーカーでは根腐れを起こすといわれる位、優良な原材料です。
やはりクリスマスローズの植替えを考えた場合良質の超赤玉土が最適です。

3.一年を通しての水やりは乾けば水やりをするというクリスマスローズの根の特性。
つまり根は空気を好むということを気づかない、或は解説書にも書かれていない特性があります。
現地では腐葉土の堆積した中での生育なのですが、それは腐葉土の層が空気を含むのに最適であったからです。
それが腐葉土の混入と誤った解釈となってしまいました。
このハイグレードの配合土は鉢内で水分を補給しながらも、空気をも補給する
バランスの良い保水力かと思います。

4.腐葉土は配合しておりません。夏場枯れる原因はこれにあります。
やはり初心者の方が一般植物と同じように水やりしまして、必ず枯れる原因の一つに腐葉土があるかと思います。
鉢内と現地では事情が違うかと思います。
それは平地で鉢で栽培しますと、現地の環境と全く異なり、日本の夏は高温多湿です。
つまり腐葉土は一気に分解して行き、鉢内で根詰まり状態、つまり通気性、排水性が劣ってしまいます。
そのように考えますと、一年を通じて安定した培養土の物理的状態を保つには、腐葉土の混入は避けるべきかと思います。

5.カルシウムは配合しておりません。
現地のクリスマスローズの自生地は石灰岩地帯ということで、カルシウム配合ということなのですが、クリスマスローズは石灰岩の岩場に直接根を下ろしているわけでなく、腐葉土の堆積した地層に育っているわけです。
日本でも石灰岩地帯にはキンポウゲ科のセツブンソウが分布しているとのことですが、それはやはり「水はけが良い」という石灰岩地帯の特性にあるのではと思います。
あるサイトにPHを計測した結果6.5とあり「弱アルカリ性を好むようです」と解説がありましたが、PH6.5が弱アルカリ性なのでしょうか?
やはり弱酸性でよいかと思います。
古来より他のキンポウゲ科の植物で、カルシウムを好むといわれた植物は無いかと思います。

6.ミジンについて。
よく色々な解説ではミジンを抜くとか書かれています。弊園ではわざわざ水洗い等してまでミジンを抜きません。
それでは根詰まりを起こすのではと思われる方も多いのではと思います。
 原料となる赤玉土、鹿沼土、薩摩土等はよくミジン抜きをされており、ミジンはかなり少なくなっております。
 それでも若干のミジンは発生いたします。
 ア、現在市販されているプラ鉢の底穴はそのミジンを洗い流すよう工夫されているすぐれものです。
 イ、或は今人気のスリット鉢も立溝もミジンが洗い流されるよう工夫してあります。
 ウ、弊園が使用しているビニールポットはネットを使用しない底穴が多数あるポットを使用しています。
   ミジンが洗い流される優れものです。
 エ、陶器の植木鉢つまり本格派のマニアが使用される鉢の場合はサナを御使用することをおすすめします。
   ミジンが洗い流されます。もちろん一つ穴のビニールポットでの御使用もおすすめです。

7.実は山野草の土は培養土全体の中で、最も高級品なのです。
一般の草花でも試して見ますが、市販の草花培養土より良く出来ます。
なぜなら安価にする混ぜ物が入っていないからです。
そのようなことで、原種シクラメン、クレマチスの培養土にご使用いただいても、好成績が得られるかと思います。

8.肥料は入れておりません。
1)幼苗株と開花株では施肥する肥料の種類が変わるからです。
2)長期間肥効があるマグアンプKが勧められていますが、幼苗株には向かない、或はクリスマスローズの生育期間と肥効が一致するのか、やや疑問に思います。
3)やはり幼苗株は窒素主体の化成肥料、開花株に至ってはリン酸主体の化成肥料をお勧めします。
そして何よりも低温期に肥効があるということが一番大事なことです。或は、N.P.Kがバランスよく配合されていることも大事です。
4)肥料は鉢の上に施肥することがだいじです。
 どうも土の中に混入して使用する方法は誤りのようです。
 (弊園では従来より花ハスでは投げ込んで下さいと、解説通りです)
 3号(9cm)ポットで2粒程度です。
 平成25年国際植物増殖者会議日本支部第20回岐阜大会 研究報告
「緩効性肥料を用いた肥培管理方法の違いが花壇苗の生育に及ぼす影響」
 (岐阜県立国際園芸アカデミー 矢島隼人、渡辺幸子、前田宝秀、今井田一夫各氏)
 では、緩効性肥料の「IB」の施与量と方法の違いが、 生育に及ぼす 影響をニチニチソウとパンジーで調査した結果、
 夏季・冬季共に2粒置肥区で最も良い結果が出た。
 これは埋込区では生育初期の高いEC値で根の伸長が阻害されるが、
 2粒置肥区は生育初期のEC値が低く、中~後期に適当な値となり、根の伸長が促されたと考えられる。
 しかし生育期間が長い冬季は、流通時に肥料切れになることを考慮し、商品出荷時に1粒施肥を行うことが最良だとの発表があったとのこと。

【御使用前の注意点】
1.専用培養土は3種類のブレンドになっております。ブレンドの種類によって粒の大小のミックスとなっている種類があります(特に2号、3号、4号)。
2.輸送中、或いは持ち運びしている間の振動によって、小粒のもの程沈んで行きます。
3.御使用前に今一度、6Lが入る容器にて混ぜ直して粒度を揃えて御使用いただきますよう、お願いいたします。


4.夏を乗り切るキンポウゲ科の植物の水やり

1.基本的に乾けば水やりをするというのがコツです。
2.休眠からさめる夏の終わりから秋にかけて植え替えをするのですが、地上部のあるクリスマスローズを始め、
 地上部の無い植物まで様々ありますが、高温期ですので水やりの回数に注意して下さい。
3.11月下旬より気温が一気に下がってきます。
 と同時に鉢内の乾きもほとんど無くなり自然の雨で充分となります。
4.冬期低温に強いキンポウゲ科植物です。
 言い換えてみれば少しぐらい多湿でも問題は無いのですが、やはり水はけのよい培養土で水はけのよいプラスチック鉢、
 スリット鉢、底穴のたくさんあるポリポット。
 そして陶器製なら昔はこれしかなかった陶器製のサナをご使用下さい。
 水はけがかなり違うと思います。
5.冬の間、地上部が休眠していた植物も、次々と葉が展開していきます。
 そして2月頃雪の中、福寿草、セツブンソウ等は咲き始めます。
 水やりは自然の雨だけで充分です。
6.4月以降気温が上昇してきます。
 それと同時に水やりも回数が多くなるかと思いますが、乾けばやるということが基本です。
7.梅雨の前後、次々と休眠してきます。
 この季節、つまり7月、8月、9月頃と気温が高く、一番問題となる高温多湿に注意します。

ア) 日陰の雨の当たらない風通しの良い所へ移動し、やや乾かしぎみに水やりの管理をして下さい。
イ) 戸外で管理する場合は、非耐暑性植物ですから遮光の下、建物の北側(明るい日陰)で
  管理することはもちろんですが、自然の雨以外は注意することが大事です。
  土の表面がかなり乾いてからやるというのがコツかと思います。
  自然の雨は涼しくそう問題ではないと思いますが、天気の良い日は気温も高く、鉢内の温度も高いはずです。
  このような時に水やりをしますと鉢内で蒸れが生じ、根腐れの原因となります。
  それにて夏の水やりは早朝もしくは夕方というのが一番良いかと思います。

8.そして何よりも腐葉土、或は有機質の混入の無い山野草の土で植えることは言うまでもありません。

5.クリスマスローズは浅植えか?


1. 従来クリスマスローズは浅植えとされる解説が多く疑問を感じておりました。
  一般に浅植えする植物はラン科植物の中の着生蘭、これは熱帯温帯問わず、例えばカトレア、オレンジジューム或は
  本邦産の風蘭、セッコク等に代表されるかと思いますが、要は着生する性質のものは浅植えするかと思われます。
  普通の宿根草は適度な深さが必要というのが長年の栽培の経験かと思います。
  そして、それはクリスマスローズでも同じことが言えるかと思います。


2. 実は弊園でも10年以上も前からクリスマスローズを入手しておりましたが、解説書も読まずまったくの素人作り、
  毎年買っては枯らすということになってしまいました。
  そして、ある時、この高温多湿の日本で誰もが育てられる方法を偶然にも見つけることができました。
  それは現在「1.クリスマスローズの植替えは」に書いてある通りです。


3. おそらくは今後の10年にて日本の解説の中で栽培方法の内容が全く異なる解説になっていくのではと思います。
  それは弊園の栽培方法を参考にしていただければと思います。

  ア) 2010年春にクリスマスローズの苗から開花株まで入手。
    通常の培養土ですのでビニールハウスの中で管理し、雨にも当てず水やりは控えめにしました。

  イ) その結果、全量枯れず夏越しができ、秋9月下旬頃より植替えを始めました。
    すると苗は全量土を落としましたところ、その年に育った新芽は下に潜って育っておりました。
    このことは何を意味するかというと


2011年9月30日撮影



   1)浅植えすることにより、乾湿の差が激しく、適度な湿度を求めて潜ってしまう現象です。
   2)毎年植替え時に浅植えすることにより、極端な場合、中心部が盛り上がっている株が見受けられます。
     このことは浅植えを守っているからに他はありません。
   3)そしてその株をみるにつけて株の増殖が悪い、或は花芽が少ないということがわかります。


4. ではなぜ従来の解説は生長が劣るにも関わらず浅植えとしたのかというと、それは枯れやすいからです。

  なぜ枯れやすいかといいますと、
  ア) 腐葉土の利用
  イ) 枯らすというガーデナーは「高温多湿の日本」という条件にも関わらず、水やりが多いということになっている。
    (これだけの条件では無く、他にも要因があります。後述を参照して下さい。)
  ウ) その結果、枯れやすいということになっているかと思います。


5. ではなぜ枯れやすいかというと、2通りの事が考えられます。

  ア)根が腐ることが原因

     腐葉土を加えることにより保水力が増します。そして水やりが多いとどうなるかといいますと、
    クリスマスローズにとって水分過多となり、腐りやすい、或は培養土が乾かないことにより根が空気と触れない、
    つまり酸素の供給が断たれていることにより根が酸欠になり枯死してしまう、特に高温時は呼吸が激しくなりま
    すので、より酸素を必要とします。
    水やりが多いと腐りやすいのは上記の説明がつくかと思います。

  イ)新芽の葉柄部分が腐ることが原因

    そしてもう一つの原因は、腐葉土そのものが、複雑多岐に渡り、腐敗菌を含んでおり、 それによって腐葉土と
    なっているわけです。 その腐葉土を使用する、そして水やりすることにより腐敗菌が活動し、更には気温の
    上昇とともにその繁殖は極めるかと思います。
    そしてその頃春生長したクリスマスローズの新芽の葉柄部分が、深植えにより土の中にうずもれたように
    育っているかと思います。
    その結果、新芽の組織が軟らかく、細胞も雑菌に侵されやすい状態かと思います。
    現実には軟らかい、腐敗菌の繁殖、そこへ追い討ちをかけるがごとしの高温時の水やりと3拍子揃うことにより
    腐りやすいということが経験されているかと思います。

    例えば特に初心者が、価格の安価な小株を購入され、水やりは他の植物と同じようにされることにより
    枯れることが多々あるかと思います。
    その結果、専門家は浅植えということを提唱しなければならなくなったことと思います。


6. 専門ナーセリーの栽培は、ガラス温室、ビニールハウス等にて育成されておられます。
  つまり、雨よけをしながらの生産ですので、水やりはコントロールできます。
  生産コストから見て常に高価な培養土を使っておられるとは限りません。
  それを購入する趣味家は自然の雨に当てる、或は水やりが多いということでダメにすることと思います。

  浅植えにすれば葉柄部は常に地上部に出ていますので、風通しもよく乾燥状態になっているので、
  腐敗菌に侵されにくいということで説明がなされてきたかと思われます。
  しかしながら水やりが多いというのは酸欠により根が腐りやすく、結果として枯れやすいということは
  変わらないかと思われます。


7. 解決策として「山野草の土」を使えば腐りません。
  弊園では「1.クリスマスローズの植替えは」にある通り、何年も試作したのですが、夏戸外で連日たっぷりと水やりを
  しましても枯れるどころか花が咲きました。

  その理由は弊園オリジナル「山野草の土」は
   ア) 腐葉土を使用しないため、腐敗菌の繁殖も無く、清潔である。
   イ) 団粒構造をしている硬質赤玉土、硬質鹿沼土、日光砂等の混合土であり、排水性、通気性、そして保水性を
     追求した理想的な培養土です。
     クリスマスローズの根は水やりをタップリした後でも根は空気に触れ、活力がみなぎっております。しかも、
     日本の暑い高温多湿の気候であっても鉢内の通気性により蒸れることが少なく、根が腐りません。
   ウ) やはり腐葉土の混入は無理があったと思えます。適度な深さの通常の植え方をしましても、排水性、通気性
     が良く、しかも腐葉土の混入が無いため水もたれも無く、しかも腐敗菌が繁殖しませんので気温の上昇する
     時期であっても腐らないということになってきます。
   エ) しかも通常の深さの植え方が可能となることにより、生長は促進され、より早く充実した株になっていくかと
     思われます。
     おそらくは今後10年後にはクリスマスローズの培養土には腐葉土の混合は否定されるのではと思いますが、
     そのことが言い過ぎでないことを祈るばかりです。


後書
  従来、クリスマスローズの育て方は対処法ばかり説明されており、根本的な理屈、つまり科学的説明がなされず、
  ガーデナーにとっては消化不良が続いたかと思われます。
  昨年秋、本格的にクリスマスローズを販売する予定であったため、木口一二三監修「プロから学ぶクリスマスローズ」
  を入手しましたところ、やはり木口氏もその点に気づかれて いる説明があり、皆様も参考にして頂けましたならと
  思います。



6.クリスマスローズ メリクロン苗について


1.メリクロン由来

 ア)メリクロンとは無性繁殖法(挿し木、株分け等)であり、植物の生長点を組織培養法によって短時間に大量に
  増殖することを利用したものです。

 イ)1952年ダリアのウイルス株を生長点の組織培養によってフランスのMorel&Martinがウイルスフリー株
  つまり無病株を作り出すことに成功したようです。

 ウ)当時、ラン科植物のウイルス病が蔓延し、そのウイルスフリー株つまり無病株を作り出す技術を考えたのが
  始まりです。1960年Morelはラン科のシンビジュームから無病株を育てることに成功し、その課程に於いて
  生長点を利用して大量増殖法が発見されたようです。

 エ)その後、フランスのラン農園で実用化し、その苗を’Mericlone’と称して発売に至ったようです。
  その苗は開花すると親株とまったく同様の遺伝形質をもつことが実証されたようです。


2.ミヨシのメリクロンについて

 ア)日本では種苗会社のミヨシ種苗が花の生産者向きに、従来の挿し木、株分けにたよっていた
  増殖をこの大量生産技術法によって安価に大量に必要なだけ供給する営業を行っているのです。
  例えばカーネーション等がよい例です。

 イ)更には新品種が作出されたものを、メリクロン技術によって短期間にその新品種を販売することが
  可能となり、めざましい発展を見るにおよびました。

 ウ)そしてその品目の中でミヨシは人気のクリスマスローズに目をつけたことはいうまでもありませんでした。


3.クリスマスローズのメリクロン苗について

 ア)ミヨシのメリクロン苗につきましては「園芸ガイド2013年冬号」にくわしく書かれておりますので参考に
  してください。

 イ)実は弊園も今から10年以上前に「ツワブキ」という植物でメリクロン苗を生産し、大量に全国の花き園芸市場へ
  出荷した経過があります。その経験からしてミヨシのメリクロン苗を解説したいと思います。

 ウ)上記園芸ガイドの解説によりますと、
  ①ミヨシのメリクロン苗の生産量は年間25万ポット。一品種当りどれ位になるのか、気になるところです。
   おそらくは人気があるもの或は増殖率の良いものは多いのではと思います。

  ②メリクロン苗の生産は外国とのこと。
   実は工業製品だけでなく、このメリクロン生産でも国内では採算が合わなくなっています。
   例えば、ツワブキでいいますと、その生産コストは1000株の苗を作るとすると国内では1株当り 約200円
   海外では1株当り 70円 という計算が出ます。
   国内でもより大量の5000~10000株を生産しますとより単価は下がります。
   いずれにしましても、海外が有利です。それは価格面だけでなく、クリスマスローズに限っていえば技術面でも
   考えられるかと思います。

 エ)クリスマスローズのメリクロンは簡単か?
  おそらくは中々難しい問題が山積みかと思います。
  ①以前、就活である大学の農学部大学院生が弊園へ面接に来ました。その学生の専門はペラルゴニューム。
   その時折りも折り、ある種苗会社より「天竺葵」の苗の生産依頼がありました。この天竺葵つまりゼラニューム
   なのですが、明治時代に招来した古典的なゼラニュームなのです。早々にその学生に聞きますと、やはり
   「多汁質なので同じ仲間のペラルゴニュームは無理」とのこと。事実上、ゼラニュームの天竺葵はできないので、
   従来の挿し木による方法しかなく、単価的に無理かなぁということがありました。

  ②キンポウゲ科の植物は難しいと言われています。クリスマスローズに限っていえば現在何タイプかミヨシより
   販売されています。そしてそのメリクロン苗についていえばやはり「園芸ガイド」によれば「メリクロン苗は
   1~2年で開花します」とあり、ほとんどの苗は1年後に咲くようです。
   実はメリクロン苗そのものがロケットダッシュするものではなく、たまたまメリクロンしたクリスマスローズが強い
   性質だったと思われます。というよりも現在の技術では強い性質のものしかメリクロン苗はできないということが
   本音ではと思います。このことは大事なことで、みなさんが本当にほしいと思われるクリスマスローズの苗は
   できないと考えても差しつかえないと思います。現にブラックのダブルは発売されていないことからわかります。
   もし発売されればそれは性質の強い品種と思われます。だから開花まで早いのです。

  ③色々なブログを見ていますと、メリクロンはいとも簡単にできると思っておられる方がかなりおられるようですが、
   それはクリスマスローズの無知由縁からくるかと思われます。クリスマスローズの育て方の解説に「乾燥に強い
   植物です」と説明されている場合があります。乾燥に強いのでは無く、乾燥させなければならないのです。
   保水力のある培養土で水のやりすぎは根腐れの原因でもあります。
   実はメリクロン、つまり生長点培養する上でこのクリスマスローズの性質が弱点となってくるのです。つまり、
   フラスコ培地は寒点の上に、或は大量培養の場合、回転ドラムの養液生産となります。
   ということは100%湿度或は水の中ということになり、クリスマスローズにとって生きていけるかという問題に
   なります。
   だから、クリスマスローズのメリクロンは難しいということになるのです。いい変えれば、その中で育って行く
   品種は強いからこそ、生きのびること、つまり増殖して行ったことかと思われます。
   反対に弱い品種は枯れていったものと思われます。おそらくミヨシは相当な試験をやっていることと思われ、
   それ以上に高いリスクを負うよりも、ヨーロッパですでに高い技術力を持ってメリクロン生産しているメーカーより
   その苗を購入した方が早いのです。

  ④国内クリスマスローズナーセリーはメリクロン苗生産をするか?
   この答えはノーです。
   色々な理由が考えられます。
   
   ア)1個体当り、3000~5000株前後生産しなければならない。
   
   イ)育種した親株がすべて成功する保障は無く、むしろダメになる確率が高い。
   
   ウ)仮に成功しても同じ花が3000~5000株も育成して販売することにナーセリーは同意するとは
   思われないことです。

   エ) そして何よりもメリクロン技術はかなり高度な技術が必要で、各ナーセリーにはその技術が全くといって
    よいほど無いのが実情かと思います。
   
   オ)そしてナーセリーの宿命なのですが、毎年種子を播き、新花を次々に生み出す、或は生み出さなければ
   ならないという思い込みもあり、またそれが自然と考えられるからです。
   例えば流行遅れの花を新花として売り出してもだれも買わない現実だからです。
   それを考えるとメリクロン苗の生産は5年を要すると書かれていましたし、当方の経験からもそうだろうと思って
   いました。そのことを考えますと、5年後に売れるかどうか各ナーセリーは不安となり、そのようなかけには
   乗らないのが常識かと思われます。
   
   カ)そして何よりも各ナーセリーは種子を播けば簡単に苗を得られるのです。何も高い委託生産費を払ってまで
   メリクロン苗を売れるかどうかわからない苗を作る必要が無いのです。
   実はこのことはミヨシと各ナーセリーの考え方の違いなのです。ミヨシは企業としての経営、つまり極端な話として
   どんな苗であっても売れてもうければ良いのです。ところが各ナーセリーは販売力が無く、優れた新花を次々と
   発表することが儲けにつながるという考えなのです。山で例えますと頂上をめざすものと、すそ野で良いという
   二通りの考えなのです。個人経営と企業経営の違いが実生とメリクロンという差になってくるのです。
   
   キ)そのように考えて行きますと、ブログでメリクロンについて無知を棚に上げて、一匹オオカミ的に好き放題
   書かれておられる方もありますが、メリクロン苗を作り出すには高い技術力が必要にかかわらず、その技術力が
   各ナーセリーにあるかどうかの真偽もたしかめず、己の無知を世間にさらしているブログとなっているのではない
   でしょうか。
   
   ク)そのように考えて行きますと、従来人気の高いゴールド系は未だに出てきません。或はダブルブラックも
   同様です。おそらくは弱い品種だったのかもしれません。メリクロン苗は弱いという説がありますが、それは
   培養土に有機質が多く配合され初歩の趣味者は水をやりまくります。すると枯れるのは当り前といえば当り前。
   或は枯れやすい苗だからイコールメリクロン苗と短絡的に考える趣味家もおられますが、それは何らかの条件
   つまり枯れる条件をその趣味者自身が作り出していることです。その反省も無しに他人に責任を押し付ける、
   つまりナーセリーの責任にしているブログがありますが、そのように枯れやすい品種がメリクロンとして流通する
   はずも無いということがわからない、まったく話にならないレベルなのです。だから、そのナーセリーは無視して
   いるのです。



7.クリスマスローズの育て方を科学する


1.培養土を考える

 (1)クリスマスローズにとって良い培養土とは
  通気性 ・・・ 根は空気を好みます。特に高山植物山草系の植物は平地で育てる場合、
          耐暑性が無く、通気性が悪い場合、ムレによる枯死が考えられます。
          クリスマスローズハイブリッドを始めとするヨーロッパ産の原種は山草系と分類すると
          育てるヒントが得られるかと思います。
          クリスマスローズチベタヌスは更に高山植物と考え、通気性のあることが
          特に求められています。
  排水性 ・・・ 特にクリスマスローズは「乾けば水をやる」というのが基本原則。
          水切れが大事かと思います。水切れが大事というのは、根の表面が乾き、
          空気と接触することにより、酸素欠乏を防ぐことになります。
          ですから「乾けば水をやる」ということですから、早く乾く用土が大事かと思います。
          通気性と表裏一体ですが、元々クリスマスローズは水をそう必要とする植物で
          ないだけに高温時の枯死を考えると大事な要件かと思います。
  保肥力 ・・・ 多年草である宿根草、生育も超ロングランですので、
          緩やかに長期間肥効があるのが理想的。
  保水性 ・・・ 植物が成長するには栄誉つまり肥料を吸収しなければなりません。
          その肥料の吸収には必ず水分が必要です。

  以上のことを考えると理想的な土は「団粒構造」をした山野草培養土が最適かと思います。


 (2)腐葉土とは

  ア)山で木が毎年成長する過程で落葉が起こり、その落葉の長年堆積したものが、
   微生物により腐って行き、腐葉土となります。
   その山の腐葉土は山では理想的な団粒構造です。

  イ)山で生育する山野草はこの腐葉土の層に根を張ります。
   山では腐葉土の層は通気性、排水性、保水性しかも腐葉土そのものが
   肥効力があるという理想的な培養土なのです。

  ウ)おそらくはクリスマスローズの自生地でもこの腐葉土の層に根が張っていると思われます。
   ですから石灰岩地帯の岩石の間に自生しているわけでは無く、土質も弱アルカリ性では無く、
   弱酸性かと思われます。

  エ)日本の山でいえば、夏涼しいということであり、腐葉土もその物理的性質を長く保つことが
   できます。しかも毎年落ち葉が積もり、その性質を保ってくれます。

  オ)ヨーロッパでは鉢物にピートモスが大量に使用されていますが、その条件として気温が低い
   という点があります。その気温が低いということはピートモスの腐敗が緩やかであり、
   その物理的性質が長く保たれているという現実があるのではと思われます。
   そして何よりも気温が低い、つまり冷涼な気候であるので、クリスマスローズの生育が無理なく
   育っているのではと思います。

  カ)そしてクリスマスローズの栽培というと、クリスマスローズの原産地の気温が低い、つまり
   日本の夏は暑がるという性質をもった植物となります。
   そのことを耐暑性が弱いという表現になります。その耐暑性が弱いということは、
   日本の夏では枯れやすいという具体的なことになってくるかと思います。

  キ)日本の気候はアジアモンスーン気候であり、夏、ヨーロッパに比べて気温が高い
   という特徴があります。その気候の中でクリスマスローズの鉢栽培で腐葉土を使用しますと、
   初期の団粒構造は保たれましても、気温の上昇ととも腐葉土の腐敗が進み、その物理的性質が
   失われていくのではと思います。
   そして通気性、排水性が失われ、保水性が増して行くと考えられ、ヨーロッパでは考えられない
   気温の上昇とともに、耐暑性のないクリスマスローズ、水やりが多いとムレによる枯死につながって
   いくかと思います。

  ク)ヨーロッパの気候に合った現地の培養土が理想的とされ、日本へ紹介されたため、
   日本のクリスマスローズ愛好家は誤った培養土を使用することとなったように思われてなりません。
   そこに日本でのクリスマスローズの初心者は買っては枯らすということになったのではと思います。

  ケ)弊園の失敗から、腐葉土の混入の無い山野草培養土を使用することが、ヨーロッパの原産地と同じ
   物理的性質を持った培養土であったことにより枯れるどころか、育っていくことになったかと思われます。


2.クリスマスローズにとって理想的な培養土

 (1)上記のことから使用する培養土の物理的な基本は何かと言いますと、通気性を第一に考え、
  排水性、保水性、保肥性と考えますと、初心者の夏枯れを少しでも防ぐことができるかと思います。
  特に通気性、排水性、保水性と相反することをバランスよく可能となる培養土が理想的かと思います。
  従来の解説は通気性、排水性があまり重要視されてこなかっただけに今後重要な要素となるかと思います。

 (2)具体的な培養土は?
  硬質赤玉土(小粒)1、+硬質鹿沼土(小粒)1、+日光砂1(薩摩土、桐生砂等でも代用可)
  上記の混合培養土の特徴は団粒構造にあります。
  夏の休眠期に水やりを頻繁にやりましても水切れが良く、つまり排水性に優れ、その結果通気性、
  つまり空気の通りが良くなり、根は空気に触れることが特に好むようです。
  やはり根が蒸れることが枯れる大きな原因と考えられます。
  やはり腐葉土を入れることにより通気性が劣ることが最大の原因となっているかと思います。

 (3)以上のことを考えますと、やはりクリスマスローズの原産であるヨーロッパは夏涼しいという気候であり、
  日本ではガーデニングというより、山草と考えると無理なく理解できるかと思います。
  それだけに培養土は山野草培養土を使用することにより、夏いくら水をやっても枯れないということが
  理解できます。
  特に初心者の方はこの点を理解して頂きたく思います。

 (4)北海道、東北地方では夏涼しく、培養土に特に問題にならないかと思います。
  やはり鉢内が蒸れないからと考えられます。


3.環境を考える

 (1)一言に環境といいましてもなかなか難しい問題かと思います。
  ヨーロッパに自生がある原種は冬暖かく、夏涼しいという気候ではと思います。
  なにしろ日本では春と秋にしか咲かない四季咲バラの花がフランスでは夏しか咲かない
  ということからして、アジアモンスーン気候の日本とはわけが違うようです。
  特にアジア唯一のチベタヌスは標高の高いところにのみ自生が見られるようになったのも
  アジアモンスーン気候の中で生き延びる進化があったのではと思います。
  弊園ではそのような事情からして「高山植物」扱いとしております。

 (2)夏涼しくするには?
  簡単なことですが、当京都を初めとする平地では「日陰にする」、「風通しをよくする」
  ということにつきます。
  様々なブログを見ていますと、涼しくするという本来の目的を知ってか知らずか、
  日陰にすることだけが目的で、涼しくすることを気がつかないマニアがおられることです。
  弊園でも質問の内容は「日陰にして枯れる」という疑問点です。
  そして、どのようにしておられるかというと風通し、つまり通風が悪いということに
  なってしまっています。風通しが悪いと、熱が停滞し、蒸れる現象となります。
  このことが、枯れることにつながっています。

   どのようになっているかというと?
   例1)雨除けに透明なカラートタンを使用、回りは日光を遮るために遮光ネットを
      張り巡らしているとのこと。これでは空気の流通がありません。

      【解決策】回りの遮光ネットを取り除くことにつきるかと思います。

   例2)檻に遮光ネットを張り、上からかぶせる。
      これでは植物を育てるということをまったく理解されていないというより
      他ありません。


 (3)解決策としては

  ア)大きな建物の北側に置く
   朝日、西日が当たらなければ夏比較的涼しい一番の環境かと思います。

  イ)遮光ネットを上高く張り巡らす。
   夏の直射光線をカットし、葉焼けを防ぐ、つまり葉の表面温度を下げることが目的です。

  ウ)大きな木の下に置く
   山と同じく木の蒸散作用で回りが涼しくなります。
   日陰になることと合わせて理想的です。あくまでも大木の下ですよ。

  エ)温室等では棚下に置く
   地面に直接置くことにより、比較的涼しい環境が得られるのでは。
   但し、比較的大きい温室の話ですが。

  オ)棚下に置く
   盆栽棚のように上面に他の植物を育てている棚下で育てると比較的涼しいのでは。
   但し、水やりが毎日ある場合は培養土に注意して下さい。

 
  以上あくまでも「日陰で風通しのよい」涼しい環境設定を考えて下さい。


4.肥料を考える

 (1)なにもクリスマスローズに限ったことではないのですが、解説に「マグアンプK」
  の使用が薦められています。これは少し考えものです。
  なぜかといいますと、クリスマスローズは実生から育てられる方もあり、実生大苗
  から育てられる方もあります。そして開花株を購入される場合と肥料はどれも
  同一というのはおかしな話なのです。
  そしてなによりマグアンプKは日本に於いてあまり向いているとは言えないのです。

  ア)実生苗・育苗苗は、苗、或は株がどんどん成長し花を咲かせる段階です。
  イ)その実生苗・育苗苗の肥料にマグアンプKの施肥を勧められているホームページ等が見受けられます。
   これは少なくとも正しい解説ではありません。
   なぜなら幼苗は窒素(N)を要求し、リン酸(P)はあまり必要としません。つまり肥料成分の内、窒素成分の
   量だけしか成長しないのです。ですからリン酸がたくさんあっても効果が無いのです。
  ウ)やはり植物体を早く大きく育てることが大事ですから、実肥であるリン酸主体の肥料よりも窒素主体の
   葉肥の肥料が最適です。そして液肥よりも固形の化成肥料をお勧めします。アメリカで開発され、
   アメリカで使用されています。
  エ)開花株は実肥が大事です。ところがマグアンプKはリン酸が多く含まれますが、その吸収を助ける窒素は
   6%と非常に少なく、ほとんど吸収されずに流出していくのではと思います。
   つまり土壌が違うのです。日本の土壌には日本で開発された肥料が施肥効果があるかと思います。
   つまりバランスの悪い肥料となります。

  オ)結論から言いまして、10月~3月の間は低温でも吸収のよいIB化成を2ヶ月に1回。
  カ)4月以降、休眠までの間に幼苗はクリスマスローズ育苗用小粒化成肥料。
  キ)開花株は4月以降、休眠するまでの間にクリスマスローズ開花株用小粒化成肥料をお勧めします。

 (2)クリスマスローズの肥料を考えるには?
  クリスマスローズだけでは無いのですが、植物の原理を考えると、
  「花は葉のなれのはて」なのです。
  つまり、花は子孫を残す種子を作る生殖器官なのです。
  そして、その種子を播きますと、子葉が出、本葉が出まして育っていきます。
  クリスマスローズハイブリッドでは3年目に花が咲くと言われています。
  それでは1年目、2年目はただ葉が育っているだけなのですが、専門用語で
  栄養成長といっています。

 (3)栄養成長とは
  一言で言えば体作りです。クリスマスローズハイブリッドでいえば、葉ばかり
  育っている期間なのですが、その期間は種子が発芽してから、翌年の春頃まで
  と考えられます。
  そして2年目の夏に花芽分化を起こし、翌年つまり3年目に花を咲かせます。
  この葉だけ育っている期間にはやはり葉肥、何かというと窒素肥料Nが肥料です。
  「化成肥料の成分でNがやや多いものが向いています」
  この肥料で葉を言い換えれば植物体を立派に育てます。
  花を咲かすまでの期間が長い種類ほど栄養成長期間が長く、
  適切な肥料を使用することが望まれます。

 (4)生殖成長とは
  花を咲かせ、種子を作ること、つまり生殖器官を作ることを言います。
  そして花を咲かす前にはその準備期間、つまり花芽分化から始まります。
  ガーデンハイブリッドでは2年目の夏から花芽分化が起こるかと思います。
  そしてその前後から栄養成長から生殖成長へと変化していくのですが、
  肥料も葉肥中心から実肥(花肥)の肥料へと移行します。
  但し、一見マグアンプKが向いているかのように思えるのですが、
  肥料には「リービッヒの最少差分の法則」があり、その原則からいっても
  マグアンプKの肥料成分はバランスがとれていないように思えます。
  いくらリン酸成分が多くても窒素成分が少なすぎるように思えます。
  つまりリン酸がいくらあっても有効利用できないバランスの悪い成分比率なのです。
  クリスマスローズ開花株にとって「化成肥料の成分のリン酸成分がやや多い、
  バランスの良いものが向いています。」
  一旦開花株となったクリスマスローズの肥料は毎年この肥料が良いかと思います。

 (5)まとめ ガーデンハイブリッドの例

  ア)実生1年目の春から翌年の春頃まで、窒素成分のやや多い肥料、できれば化成肥料が
   良いかと思います。そして植物体を健全な良株に育てます。

  イ)実生2年目の初夏の頃よりリン酸成分のやや多い肥料、できれば化成肥料が良いかと思います。
   花芽分化を促し、秋以降のリン酸吸収とあわせて良花良株に育てます。

  ウ)実生3年目の開花株は毎年リン酸成分のやや多い肥料、できれば化成肥料が良いかと思います。
   花色のよい良花をいかに咲かすことができるか肥料の使い方次第です。
   基本的には健全な株に育てることが第一歩です。


5.水やりを考える

 (1)クリスマスローズと同じくキンポウゲ科の植物に福寿草或は雪割草があります。
  共通した特徴は耐寒性に優れ、夏は耐暑性の弱い山草特有の性質を持っています。
  いずれも夏は休眠するという特徴を持っています。

 (2)雪割草はこれらの中で一番植物体も小型で根も細い特徴を持っています。
  弊園も経験することですが、秋の植替え時根が腐っていることが良くありました。
  これは夏の水やりが原因でした。

 (3)今までの経験を考えてみますと、クリスマスローズハイブリッドに限って言えば、
  ア)環境が合っている。特に夏涼しい所に風通しの良い所に置かれて管理されている。
  イ)用土は通気性、排水性、保水性に優れた山野草培養土を使用した植え付け。

  以上の2点を問題なく整えられた場合、夏の水やりは弊園の経験からして毎日やっても
  枯れることはありませんでした。
  おそらくは現地の生育環境により近いものになっているかと思います。
  現地では夏涼しいという環境。自然の落葉が堆積した腐葉土の中で、特に通気性、
  排水性、保水性、そして保肥力に優れた中での根の伸長は理想的といえたのでしょう。
  だからといってアジアモンスーン気候の日本の中、腐葉土の利用は逆効果であったように
  思えます。自然の環境と鉢内の環境とは同一にできないからです。
  何回も言っていますが、雪割草、福寿草の世界では腐葉土の使用は否定されています。

 (4)一般のマニアの方々はガーデニング感覚で夏の水やりは多い目にしなければと思っています。
  ところがクリスマスローズは耐暑性のない性質を持っていながら、この暑い日本の夏を
  何とか乗り切ろうとしています。

  ア)そのような中で、管理するガーデナーは日陰にして涼しい風通しのよい環境を設定できない。
  イ)通気性の悪い、腐葉土の混入のある保水力がある培養土で植えられている。
  ウ)上記に書きましたように一般のガーデナーは他の植物と同じように水やりを毎日のようにやる。

  以上の3点の複合された管理によって枯らされているのではと思います。


 (5)まとめ

  ア)水やりは今まで書きましたように、クリスマスローズの特性上の問題、環境の問題、
   培養土の問題と3点を複合して考える必要があります。
  イ)結果としていえることは「乾けばやる」ということが一番無難な管理、なぜならムレないからです。
   つまり枯らさないことが消極的でありますが、毎年花を見ることのできる栽培方法かと思います。
  ウ)育てることのコツが理解できますと、段々と上手になるものです。
   耐暑性の弱いクリスマスローズの特性を考え
    a.環境を考える
    b.培養土を考える
    c.正しい肥料の使い方をする
   その上での水やりかと思います。

   その時、初めてすばらしいクリスマスローズの花が見られるのではと思います。



8.もしカビが生えたなら、病気になったら

ア)弊園も各ナーセリーの生産品を買い付けておりますと、寒中であっても突然に
  花茎が倒れ、しおれている株を見つけます。

イ)株元を見ますと、カビが発生していたり、水浸状になっていたりします。
  これは何が原因かといいますと、前年度のナーセリーの育て方の問題、
  つまり通気性の悪い用土を使用、その割りに水が多かったと思われます。
  特に気温の高い時に蒸れた状態になってしまったのでしょう。
  そしてその蒸れが弱い場合、夏場枯れず、翌年の低温期にその症状が出ます。
  低温期に活動する病原菌に侵されたと思われます。
  それは健全な株に育っていなかったことが原因なのです。
  やはり薬剤散布よりも用土を含めた環境作りかと思います。

ウ)そして現実にはどうしたなら良いか?
 1.例として下の写真はこの平成25年1月に起こりました。

  

  そしてどのようにすれば良いか?
  昨年、同様の株は全量の土を落とし、根を洗いました。

  
  根をきれいに洗った状態。

  
  株の根元です。脇芽は病原菌に侵されていませんので大丈夫かと思われます。

  
   その後、山野草培養土に植え直しました。

 2.この株は1年前に同様の病気になり、その植え直した株が一年後には花芽を上げています。
  下の画像がその株です。

  


  25年2月11日、咲きました。
   


  清潔な通気性、排水性の良い山野草培養土に植え替えただけで、病気は治るのです。
  何も薬剤散布は1回も行ってはいません。
  言える事は薬剤散布で防ぐことではなく、クリスマスローズが育つ環境を
  作ってあげることです。そして自然治癒力だけで育っていきます。

 3.趣味として育てられている皆様の棚でもこのような事例が発生しますと、
  すぐに山野草培養土に植え替えて下さい。
  おそらくは従来の通気性の悪い培養土だから起こった事でしょうから。
  すぐに薬剤散布のことしか思われないかもしれませんが、決して解決法では
  ないのです。そのことは理解して頂きたく思います。

  同じキンポウゲ科の福寿草は昔からの知恵で、植替えは秋と花後といっています。
  クリスマスローズだけは秋に限定してします。まだまだこの業界知識不足です。
  今後、春の植替えをどんどんやって下さい。
  そして、その年購入したクリスマスローズの株を山野草培養土に変え、
  統一した管理にすれば、それだけ管理も楽というものです。
  そして山野草培養土はいかに優れものかを加藤農園さんの実生栽培法で
  証明したいと思います。(25年1月19日)

9.クリスマスローズの春の植え替え


クリスマスローズと同じキンポウゲ科の植物に福寿草があります。
祖先はやはりヨーロッパ原産でシベリアを経て日本まで分布しています。
日本の福寿草は夏休眠しますが、ヨーロッパ原産種は常緑種です。
そして「偽ヘレボレス」と呼ばれているようです。
そして福寿草は秋と花後が植え替え適期とされています。

クリスマスローズも日本の夏はヨーロッパと比較して想像以上の暑さで、
初心者が枯らしやすい植物かと思います。
つまり「耐暑性の弱い或は無い植物」といえます。

日本の植物では山草或は高山植物と同じ扱いになります。
いずれも「日陰の宿根草」といえます。
従来より山草、高山植物の培養土には我国の暑い夏を乗り切るために、
腐葉土等の有機質の混入は否定されています。
クリスマスローズも洋種山草と考えますと合理的に育て方が理解できます。

以上の事柄を考えますと、現在流通しているクリスマスローズの培養土は
趣味家にとってはとりわけ初心者には育てにくい培養土となっているかと思います。

福寿草では花後と古くより言い伝えられています。
花を見た後、思い切って夏の暑さを乗り切るためにも全量土を払い、
山野草培養土で植え替えてみてはいかがでしょうか。
苗は花を見ることができませんので、より早くても良いかと思います。

植え替えた直後はしおれますが、やはり春の成長期、しばらくしますと回復します。
是非試して下さい。



10.山野草培養土で育成 加藤農園さん

1.今から思えば2年前「クリスマスローズを楽しむ」という図書を発行された
 栃の葉書房さんの紹介でお電話をしました。
 そして、一度お伺いする旨のお話で終わっておりました。

2.埼玉までは行くのですが、なかなか加藤農園さんへ行けなかったのです。
 機会を作り、昨年3月だったと思いますがお訪ねしました。
 お訪ねすると「当方は現在培養土を山野草培養土に切り替え中」とのこと。
 そして、「これなら自動潅水も可能となりますよね」とのこと。
 当方は理解して頂けるナーセリーが現れたんだなぁと実感しておりました。

3.そして今回平成25年1月18日にお訪ねしますとどれもこれも山野草培養土にて
 育成されていました。

  

  

  


4.そして実生育成中のハウスを見せて頂き、更に驚きました。
 当方の理想とした栽培法が現実となってそこにあるのです。

 ア)育苗中の棚です。きれいに並んでいます。
  全量山野草培養土にて育成中です。

  


 イ)その中で早くに発芽し、育ちの良いものは、既に3.5号ロングポットに
  上げてありました。

  


 ウ)2.5号で育成中のものです。

  


 エ)これは丸一年かけて育てたもので、育ちの良い株は既に花芽を付けているとのこと

  

  このことはクリスマスローズ業界、画期的なことです。
  弊園の理論を理解され、更には今までの養われた技術力で、
  ここまで現実とされた加藤農園さん。
  今後若いだけに業界の第一人者となられるのもそう遠くないような気がしました。


5.お話を聞きますと

 ア)山野草培養土を使用すると思いの他育ちが良いとのこと。

 イ)やはり根の張りが従来の用土を使用した場合と比較にならないとのこと。

 ウ)その結果、植替えを何回もやらなければならないとのことですが、
  その時の根の成長はすばらしいとのこと。

 エ)やはり通気性、排水性が良いため、「根は空気を好む」の言葉通り、根の成長が
  すばらしく、結果、肥料吸収力も抜群で育ちも良く、花を1年後に付けるとなったようです。

 オ)その間の加藤農園さんのクリスマスローズの癖を知り尽くしたその技術力が
  あってのことは言うまでもありませんが。
  でもこれらを見る限り、業界の「コペルニクス的転回」が現実となってきました。
  当方はこの「クリスマスローズハイブリッドの育て方」を解説するに当り、
  昨年「今後10年後には培養土が変わることを願っている」としましたが、
  1年後に  現実となっていることを思いますと、やはり加藤農園さんの若さと
  行動力には敬服するばかりです。(25.1.19)


後書き


 当方は色々なことがあってクリスマスローズ業界になかなか入れませんでしたが、
 この1~2年で気づいたことを解説しますと、加藤農園さん、水を得た魚のように
 行動されたことは当方想定外であったこと、そして業界の従来の解説、インターネットを
 含めての呪縛からアマもプロも解き放たれるのもそう遠くないように思えます。

 何しろ丸一年で花が咲くのですから。
 そして今後の育種は更に早まり、勝ち組、負け組が技術力の差となって現実化するのも
 時間の問題のように思えてなりません。(25.1.19)


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