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ガーデニングの基礎知識【培養土編】

■ 鉢植えと地植えの用土は根本的に違う

■ 腐葉土の役割

■ ガーデニング用 草花培養土について

1.従来、弊園では山野草といわれる我国の在来の宿根草を取り扱ってきました。

2.それらを育てる培養土は、腐葉土はおろかピートモスといわれる有機質はまったく使用せず、100%鉱物質の培養土にて育成しております。 「山野草の土」といわれる培養土です。

3.その培養土は日本の気候風土に合った先人達の園芸の知恵から生まれたものであって、今さながら多様な植物を培養しましてそのすばらしい 育成に最も適した培養土であることを認識させられます。

4.ところがガーデニング業界を見てみますと、山野草であっても一般ガーデニング業界で使用される「草花培養土」で育成され、流通しています。 それは水苔由来のピートモスを多量に使用した培養土です。

5.このピートモスの特徴は

(1)北欧、ロシア、北米等、北半球の気候の涼しいところで産するものです。

(2)日本でも見られるのですが、高層湿原といわれている湿原です。

ア).各地に冷涼な気候を好む水苔が自生する湿原、当京都でも北区上賀茂で有名な「深泥池」等が見られます。

イ).その水苔が長年堆積され厚い層となったものが高層湿原です。北欧ではその堆積物をピート(泥炭)を燃料にされ、ウイスキーの蒸留に利用されてきたものがスコッチウイスキーです。

ウ).園芸用に利用されているのがピートモスといわれ、現在我々が見慣れたものとなっております。

エ).弊園で使用しましたニュージーランド産水苔を鉄板の上に置いておきました画像です。

平成29年6月15日 撮影

 すでに4,5年は経っているでしょうか。腐る様子も無く体積もそう減るでもなく、その姿を見ておりますと、高層湿原の成り立ちもわかるような気がします。

オ).この”腐りにくい”ということがピートモスにもある特徴なのですが、その長所が最大の欠点となり、腐葉土とはなり得ないものに他なりません。
上記に解説した、土を団粒構造にする役目がないのです。


(3)水苔は乾燥時から水を含ませた保水時には何十倍という保水力を持つ性質があり水苔由来のピートモスにもその特徴があります。
反対に一旦乾燥しますとほとんど吸水しないという吸水力「0」の特性があります。

(4)その両面の特性を併せ持つピートモスを培養土の原料にするため、気候の涼しいヨーロッパでは問題が起こらなかったことが高温多湿の日本では色々な障害がみられます。

(5)過去にも宿根草のカワラナデシコを買い求めのお客様からFAXと電話にて「花の咲いていない株は咲かずに枯れます」強いクレームをいただきました。
茶道の先生がお茶花として、花が咲いた状態のものとしてご購入いただいたようなのですが、ガーデニングセンターのネットショップと違い、弊園は生産を主体とするナーセリーショップつまり趣味家相手のネットショップのため花が咲いている時はもちろん、花のない時も販売しております。
花の無い状態の苗にてお送りしたものですから結果としてクレームだったのです。
ガーデニングセンターのネットショップは花き園芸市場よりの仕入れですから常に花は咲いております。
ネットショップの欠点が見られたよい例でした。

(6)ではなぜ宿根草が「枯れる」というクレームだったのか。
その時は当方もまったくもって理解がでなかったのですが、後々色々と経験することによりピートモスが原因であることがわかってきました。
ピートモス主体の培養土、水を遣りますと過重なくらい水を含み、そして排水性・通気性が悪くなります。
ヨーロッパとは根本的に気候が異なる高温多湿のアジアモンスーン気候の日本です。
梅雨入りの頃より草花培養土で育てられた通気性を好むカワラナデシコを始めとするイセナデシコ等はは枯れる運命にあったのです。

(7)今考えますと、ヨーロッパで生まれたピートモス。そこで使用されるピートモスであってこそピートモスだったのです。
アジアモンスーン気候の東の端にある日本。遠く中国雲南省から広がる照葉樹林帯のやはり東の端にある日本。そこにはカシ・クヌギ等が広がり、そこから生まれる腐葉土があったのです。
園芸の先人たちはその腐葉土を土壌改良剤として利用してきたのです。つまり、ピートモスも腐葉土も気候に合った「地産地消」でたったのです。ピートモスを日本で利用する。そこにミスマッチがあったのです。
ちなみに弊園で長年腐葉土の混入の無い「山野草の土」で育てておりますカワラナデシコはこの通りです。

平成29年6月18日 撮影



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